天然塗料ベンガラとの出会い
古材・廃材を活かして店舗や住宅のリノベーション、オーダー家具の製作をするなかで、合成塗装独特の匂いと木の呼吸を止めてしまうプラスチックの膜、その扱いとゴミの量、そしてその後の劣化した表情など、一般的な塗料に問題を感じていたところ、天然塗料ベンガラと出会いました。
まるみつこうさくのベンガラ「つちかえる」
ベンガラの素晴らしさをたくさんの人と感じて欲しいという思いから、まるみつこうさくのベンガラ「つちかえる」を販売することになりました。
「つちかえる」は木を活かす、木を感じられる塗料です。素手で染め、掌で木の温もりに触れられる心地よさ。
みなさんも、土で木を染めてみませんか?
ベンガラとは
ベンガラは土から取れる成分(酸化鉄)で、インドのベンガル地方より伝来したのが語源とされ、紅殻・弁柄とも呼ばれています。
旧石器時代の洞窟壁画の彩色に用いられた最古の顔料であり、日本の暮らしに古くから根付き、縄文土器の彩色、古墳時代の壁画にも使用されていました。
燃える炎・輝く太陽・血潮の色など、特別な色と捉えられてきたベンガラは、「魔除け」「厄除け」とも考えられ、近世では陶器や漆器、染色や日本画など様々な分野で扱われてきました。
寺院などでも使用されているように、防虫・防腐の機能性もあり、経年変化に強く、日光による褪色がないという特徴もあります。
昨今では人体にやさしい天然素材として見直され、繊維製品への染色などオーガニック製品にも使用されるようになりました。
天然塗料「ベンガラ」の特徴
*天然水性塗料
有害な成分を含まず安心、安全で、定着剤にミルクカゼインを配合しており、溶剤や揮発成分を含みません。上塗りにミョウバン水を塗ることで自然定着します。
*奥深い色合い
味わい深い個性のある色を作り出すためハンドメイドにこだわっています。その色合いには均一ではない大らかさがあらわれ、どこか暖かく深い色になってくれるのです。
*土に還る
水で洗えて流すことができます。ごみが少なく、メンテナンスのしやすい環境循環型塗料です。
*木を活かす
ベンガラの粒子は細かく木肌に浸透し、木の呼吸を妨げません。自然の保護効果により、防虫・防腐効果、紫外線による色あせ・木痩せを防ぐため、木の住まいが長持ちします。
*古民家の再生に
古材と新材の色合わせや古材風仕上げに優れています。時を重ねてよりいっそう味が出ることでしょう。
素材の準備
まずは染める材料の下準備。
形成をしてから、表面を紙やすりなどで磨きます。
※滑らかに磨くほど伸びがよくなり、ベンガラの浸透性が増して、保護効果もアップします!
ベンガラの準備
ベンガラ粉を熱湯でよく溶きます。
その後、好みの濃さに水を足して調整します。
※しっかりかき混ぜることで、木への定着力が上がり色落ちしにくくなります。
ベンガラを塗る
ハケや布でよく混ぜてから着色します。
着色後乾く前に木目に沿って拭き、塗りムラを馴染ませます。その後、自然乾燥させます。
※素手で触っても安全ですが、そのままの状態だと皮膚が乾燥しますので、早めに洗ってください。
ミョウバンで定着
ミョウバン水をハケにたっぷり含ませて上塗りします。ミョウバン水を塗ることでしっかり固着し、水に落ちなくなります。
※重ね塗りをする場合は、ミョウバン水で定着・乾燥後にベンガラ塗料+ミョウバン水を繰り返し重ねていきます。
油で保護&艶出し
お好みの木材保護材(荏油やミツロウワックスなど)で仕上げます。耐水性・耐磨耗性を上がるとともに、艶を出し、表情に深みが増します。
※定期的に拭き掃除をするようにメンテナスをしてあげると木材が生き返り、木が長持ちします。
まるみつのベンガラ「つちかえる」は全8色
まるみつこうさくのベンガラ「つちかえる」の8色をご紹介。
それぞれの色を自由に混ぜてあなただけの色を作ることも出来ます。